【開脚180°開かず、お困りの方へ】スプリッツが床につかない原因と、効率的な柔軟ストレッチの順番
- バレエ整体Tommy.NABO院長 冨山尚見

- 5 日前
- 読了時間: 6分
「毎日ストレッチしているのに、
前後開脚が床につかない」
「無理に押しているのに、骨盤がズレる」
そんな悩みを抱えていませんか?
実は、180度開脚ができない人ほど、“開脚そのもの”を頑張りすぎているケースが少なくありません。
もしあなたが前後開脚がつかないのであれば、一度「前後開脚の練習」から頭を離してみる必要があります。
前後開脚をしなくても、
前後開脚は床につくようになります。
今回は、
バレエ・新体操の経験者&ダンサーをサポートする治療家の視点から、
・なぜ前後開脚がつかないのか
・なぜ頑張っても柔らかくならないのか
・どうすれば効率よく180度開脚に近づけるのか
を解説していきます。
※ご注意
床では柔らかいけれど、「ジャンプになると180度開かない」という場合は、柔軟性ではなく筋力やコントロールの問題が大きいため、今回の記事の対象外となります。
■なぜ「開脚の形」で
柔軟しても伸びにくいのか?
前後開脚ができないとき、多くの人はいきなりスプリッツの形で粘ろうとします。
前後開脚に必要な柔軟性が足りない状態で無理に開こうとすると、身体は限界を超えないように「逃げ」を作り始めます。
骨盤を傾けたり、ねじったりして、別の場所で代償し始めるのです。
「前後開脚の時に骨盤がズレているよ」と注意されたことがある方は、この代償動作が起きている可能性があります。
筋肉には「起始(始まり)」と「停止(終わり)」があります。
ストレッチとは、この2点を遠ざける作業です。
ですが、骨盤がズレてしまうと、本来離れてほしい部分が逆に近づいてしまい、肝心の筋肉がうまく伸びなくなってしまいます。
つまり、頑張って開脚しているのに、効率よく柔軟性を高められていない状態になってしまうのです。
■ターゲットを絞った
「単独ストレッチ」の重要性
180度開脚を目指すなら、まずは「開脚の形」から一度離れましょう。
最初に行いたいのは、必要な筋肉を個別に伸ばす“単独ストレッチ”です。
特に重要なのが、以下の3つです。
■ハムストリングス(前脚の裏側)
前脚の膝をしっかり伸ばすために重要な筋肉です。
坐骨から膝を越えて膝下まで伸びています。
実際、前後開脚で180度開かないと悩まれている方の多くは、前脚側のハムストリングスの柔軟性不足が大きく関係しています。
後ろ脚よりも、前脚側が足を引っ張っているケースは少なくありません。
■ 腸腰筋(後ろ脚の付け根)
股関節の前側にある筋肉です。
ここが硬いと、股関節を後ろへ伸ばす動き(伸展・デリエール方向)の動きに制限がかかります。骨盤が前に倒れたり、腰を反ったりする代償が起こりやすくなります。
■ 大腿直筋(前もも)
この筋肉は、骨盤からでて膝下まで伸びています。
腸腰筋と一緒に柔軟性を出していくことで、後ろ脚が真っ直ぐ伸びやすくなります。
また、バックルジャンプなどでは、この柔軟性はとても大切です。
これらを個別にストレッチすることで、
最終的に前後開脚の形を取った時に、
無理なく180度に近づきやすくなります。
■ストレッチの前に知って欲しい
「関節の適合性」
「こんなに頑張っているのに柔らかくならない…」という方の中には、筋肉そのものではなく、身体側の問題が影響しているケースも少なくありません。
--【柔軟性を左右する「関節」のポジション】--
実際には、筋肉だけでなく
「関節の位置関係」が原因で、
脚が上がりにくくなっていることがあります。
特に重要なのが、
骨盤周囲の関節(仙腸関節など)や股関節です。
前後開脚に関わる筋肉(ハムストリングス・腸腰筋・大腿直筋など)は骨盤に付着しています。
そのため、骨盤や股関節の位置関係が崩れると、
筋肉にかかる張力が変化し、
本来の柔軟性を発揮しにくくなることがあります。
-【あなたの身体は「ストレッチ」の段階ですか?】-
仰向けで膝を伸ばしたまま片脚を上げると、多くの人は、80〜90度程度までは比較的スムーズに上がります。
ですが、身体側の問題によって
可動域が制限されるケースもあります。
例えば、骨盤周囲の関節(仙腸関節など)の
動き(関節の適合性)が低下していると、
80〜90度までスムーズに上がらなくなることがあります。
関節のズレによって、
筋肉の張力が勝手に高まってしまうのと、
脚を上げる際は、股関節だけでなく、
骨盤の関節も一緒に動く必要があるからです。
しかも、このようなケースでは、
必ずしも痛みが出ているとは限りません。
そのため、「硬いからストレッチを頑張ろう」と思っていても、実際には筋肉以外の部分が制限になっていることがあります。
原因が筋肉そのものではなく、
関節の位置関係や動きにある場合、
ストレッチだけでは変化しにくいことがあります。
その場合は、無理に筋肉を伸ばすよりも先に、
関節の状態を整えたほうが改善が早いケースもあります。
関節の適合性が改善すると、それだけで脚がスッと上がりやすくなることも少なくありません。
※可動域制限の原因は一つではありません
関節の位置関係だけでなく、
・関節の変性
・過去の肉離れによる癒着
・身体を支えるために筋肉が働き続けている状態
などが影響するケースもあります。
「硬い=ストレッチ不足」とは限らないのです。
■ それでも「前後の開脚の形」で
柔軟を続けたい場合は…!
どうしても床で前後開脚の練習をしたい場合は、「骨盤がズレ始める直前」で止めるようにしてください。
例えば、右脚を前にした時に、
・骨盤が左を向き出す
・身体が捻れる
このような動きが出始めたら、
それは代償動作が始まっているサインです。
その一歩手前こそが、
今のあなたの“本当の柔軟性”です。
それ以上頑張り
無理に床につけようとしなくても、
十分に伸ばすことができます。
心地よい伸び感がある範囲で、
呼吸を止めずにキープしてみてくださいね。
【専門的な知識を深めたい方へ】
筋肉の「起始・停止」を意識すると、
ストレッチの質は大きく変わります。
より詳しく学びたい方には、
『基礎から学ぶストレッチング ― ストレッチにもコツがある』
という本もおすすめです。
専門用語も比較的わかりやすく解説されており、
図書館などで見つかることもあります。
興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
■まとめ
180度の美しいスプリッツを目指すうえで大切なのは、「ただ開脚を繰り返すこと」ではありません。
まずは、
・骨盤がズレない範囲を知る
・腸腰筋・大腿直筋・ハムストリングスを
個別にストレッチする
・身体に問題があって、
柔軟性が出ない場合もある
(硬い=ストレッチが必要とは限らない)
ことが大切です。
無理に押し込む柔軟ではなく、
「なぜ開かないのか」を整理することで、
身体は変わりやすくなります。
新体操時代、私自身も
「もっと早くこれを知りたかった…!」と
感じた内容をまとめてみました。
この記事が、あなたのお悩みを整理するきっかけになれば嬉しいです。
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