レッスンを頑張るほど怪我を繰り返すのはなぜ?ダンサーに多いオーバーユース障害とコンディショニングの重要性
- バレエ整体Tommy.NABO院長 冨山尚見

- 14 時間前
- 読了時間: 6分
「発表会やコンクールが近づいて、一番練習したい時期なのに足首や膝が痛い…」
「本番直前なのに、思うように体がコントロールできなくて焦っている…」
バレエ整体 Tommy.NABO(東京都西東京市)には、本番を目前に控えた大切な時期に、こうした痛みに悩まされるダンサーが多く来院されます。
なぜ、一番輝きたい、一番練習を頑張りたいタイミングで身体のトラブルが起きてしまうのでしょうか?
今回は「ダンサーの怪我の原因」と、舞台に立ち続けるためにダンサー自身が知っておくべき「コンディショニングの考え方」についてお伝えします。
◆ 1. 「着地失敗」や「捻挫」の裏に潜む、もう一つの怪我
「怪我」と聞くと、ジャンプの着地に失敗した、足を挫いたといった「一度の大きなアクシデント(外傷)」を想像される方が多いかもしれません。
しかし、ダンサーに起きる怪我の多くは、毎日のレッスンの積み重ねによって起こる「オーバーユース(使いすぎによる障害)」です。
2015年のSmithらによるシステマティックレビュー(医学論文の集計データ)でも、バレエダンサーの怪我には明確な特徴があることが分かっています。
・発生部位:全損傷の【66%〜91%】が腰から下の「下肢」に集中(腰仙骨部痛62%、股関節痛58%、膝痛29%、足・足関節痛14〜57%)
・傾向の違い:男性ダンサーは約半数が外傷性(事故的なもの)であるのに対し、女性ダンサーは「オーバーユース障害」が圧倒的に多く、さらにプロよりアマチュアに多い
そして知っておいてほしいのは、「着地に失敗して捻挫した」という一見アクシデントに見える怪我も、実は『日常の使いすぎ(疲労)で身体がうまくコントロールできなくなった結果、着地に失敗した』というケースも存在すると言うことです。
つまり、ダンサーの怪我の多くは「突然起こったアクシデント」ではなく、「防ぐことができたはずの怪我」なのです。
◆ 2. 体のSOSを無視してプッシュしていませんか?
疲労・動きづらさ・身体の違和感を感じているのに、「休んだら下手になる」「本番前だから」と無理やりプッシュして練習を続けていけば、大きな怪我につながる可能性があります。
どこかの部位が過剰に使用(オーバーユース)されているのであれば、
・使いすぎている部分の過剰な働きを抑える(抑制)
・本来働くべき適切な場所(軸や体幹など)に安定性を取り戻す
といったコンディショニングが必要になります。
◆ 3. なぜ「テクニックを支える土台」を知る必要があるのか?
自分の体を適切に管理するために、知っておいてほしい考え方があります。それが「ライフスタイル・パフォーマンス・ピラミッド Life style Performance Pyramid(LPP)」です。
(※これは私自身が過去に立ち上げメンバーおよび運営側として所属していた団体「PASMI」にて、代表の川﨑章広氏が提唱された概念です。)
ダンサーのパフォーマンスを支えている5つの土台を表しています。
【TOP】Skill・Technique・Ability(技術・テクニック・才能)
【4番の土台】Strength & Power(ストレングス&パワー)
【3番の土台】Mobility・Stability・Control(関節の可動性・安定性・コントロール)
【2番の土台】Nutrition & Rest(栄養・休息・睡眠)
【1番の土台】Mental Control・Mindset(メンタルコントロール・マインドセット)
どれだけ高いレベルの技術(最上階)を求めて練習量を増やしても、それを支える土台(第1〜第4)が十分に整っていなければ、技術の向上や身体の成長を長く続かせる事は難しいです。
反対に、身体の使い方や休息、栄養、心の状態といった土台を丁寧に育てていくことで、より高いレベルの技術を安定して発揮できる身体へと成長していくことができます。
「身体からのSOSを無視して練習を続ける」
「睡眠や栄養が足りないまま踊る(エネルギー不足)」
この土台が崩れた状態で練習量を増やせば、身体はオーバーユースを起こし、一番大事な本番直前に悲鳴を上げることになってしまいます。
◆ 4. ダンサーとして「自分の体に責任を持つ」ということ
舞台の日が、必ずしも身体の状態が100%良い日とは限りません。
疲労が残っている日、いつもより身体が動きにくい日、思うように可動域が出ない日もあるかもしれません。
だからこそ、その日の身体の状態を把握し、その時できるベストなパフォーマンスを発揮するために、自分自身のコンディションを調整する力が必要になります。
そのためには、普段から自分の身体の特徴を理解し、「何をすると身体が動きやすくなるのか」「状態が良くない時にはどのように身体を使うのか」といった、自分自身のデータを積み重ねておくことが大切です。
身体にエラーが出ている時や、自分では気づけない問題がある時に、専門家のサポートを受けることは大切です。
しかし、舞台直前まで専属の治療家やトレーナーが付き添い、身体を管理してくれる環境にいるダンサーは決して多くありません。
だからこそ、ダンサー自身が自分の身体と向き合い、
「今日はどのような状態なのか」
「何をすると身体が動きやすくなるのか」
「違和感が出た時に、どのように対処すれば良いのか」
を判断できる(感じる・考えられる)力を養うことも大切です。
また、専門家の目を通して自分の身体の特徴を知り、日々のコンディショニング方法を自分自身のデータとして積み重ねていくことも、本番に向けた大切な準備の一つです。
特に、プロとして舞台に立ち続けたいのであれば、技術を磨くだけではなく、自分の身体を理解し、安定してパフォーマンスを発揮し続ける能力も必要になります。
そして、この感覚や知識は1日、2日で身につくものではありません。
バレエの難しいテクニックを習得するのに長い年月が必要であるように、自分の身体を理解し、感覚を育て、コンディションを調整する力を身につけることにも時間がかかります。
◆ 5. 最後に : 痛みを良くするためだけでなく、舞台に立つために
当院(バレエ整体 Tommy.NABO)でお伝えしているのは、単に「今ある痛みを消す施術」だけではありません。
ダンサーご自身が「自分の関節の動き」や「正しい身体の使い方」に気づき、自分自身でコンディションをコントロールできるようになるためのコンディショニング・教育を行っています。
ただ「痛みの軽減」だけで終わることなく、一人のダンサーとして長く美しく舞台に立ち続けていただくために、
「本番前にいつも身体を壊してしまう」
「自分の体としっかり向き合って、根本からコンディションを整えたい」
そう考えていただけるダンサーの方は、ぜひ一度ご相談ください。
【院情報・お問い合わせ】
バレエ整体 Tommy.NABO
所在地:東京都西東京市(西武新宿線 田無駅近く / 西東京市総合体育館付近)
Instagram:@tommy.nabo.2



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