アイシングをどう考える?
アイシングは良くないの?
・怪我をしたら冷やすのは良くないのか?
・RICEの考え方、アイシングはもう古いのか?
・間違っているの?
アイシングのネガティブな報告や情報もある中、どんな怪我にも冷やすのはよくないのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
2021年の神戸大学のエビデンスでも、この様な報告がされています。
★2021年
アイシングは重篤な筋損傷に対して筋再生を遅らせる
https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2021_04_23_01.html
※遠心性収縮による重い筋損傷の後にアイシングを施すと、炎症性マクロファージによる損傷筋の貪食が十分に行われず、それが原因で新しい筋細胞の形成が遅れる可能性が示されました。
しかしながら、同じ研究チームが2023年にはこのように発表しています。
★2023年
軽微な筋損傷にたいしては筋再生を促進させる
https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2023_03_22_02.html
※軽微な筋損傷の場合には、炎症性マクロファージが行う二次的な筋損傷の拡大を、アイシングによって防ぐことができることがわかりました。それにより筋再生が促されることにつながる可能性が示されました。
さらに2023年の笠原先生の研究では、
『アイシングが全否定されるものではない』と
述べています。
★2023年
スポーツ現場で活用される各種コンディショニング方法の目的に応じた選択「アイシング」笠 原 政 志
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/72/1/72_62/_pdf
・組織修復に必要な IGF-1(インスリン成長因子)の産生が遅れる
・筋再生が遅延した
との、アイシングが否定的に取られられる研究がある一方で、以下のような発表もあり、
●二次的障害(※今後の投稿を参照)による競技復帰の遅延を恐れることからアイシングの必要性があること。
研究の質問に回答した、J リーグ 60 チームのトレーナー、全チームが応急処置の中でアイシングを実施していること。
●アイシングに対して否定的な記事を執筆している Gabe は、継続したアイシングの有効性を示すエビデンスはなく、受傷直後は 10 分程度のアイシングを実施すると良いとしていること。
●RICE 処置と運動療法の併用は、腫脹軽減効果 が大きいというエビデンスがあるという報告があること。
そのため、
『何を目的に,誰に対して,どのよう な生理的反応を狙って,どのアイシング手段を用いるか を踏まえた上でアイシング実施の有無およびその方法に ついて取捨選択していけば,そのネガティブな反応を回 避することができ,最適なアプローチをすることは可能』
とされています。
その為、アイシングは効果があると考えております。
*PASMI(私がCMOを務めている団体です)の
インスタグラムにUPしたものをこちらでもご紹介させていただきました。